そっと俺の頬に手を添える里衣ちゃん。


 そして顔を近づける。


 キス…ってこと?


「里衣ちゃん」


 こくりと頷く里衣ちゃん。


 俺はそっと顔を近づけて彼女のキスに答えた。


 そっと触れる唇。


 まだあったかい。


「死ぬなよ。一緒に水族館行くんだろ。生きて、生きて一緒に行こう」


「あ…歩夢…くん」


「大好きだよ…里衣ちゃん。だから死なないで。一緒に生きて帰るよ」


「あ…ありがとう…あたしもね…だい…好き…だった…。あたしのために…傷ついてまで…戦ってくれて…ありがとう…」


 里衣ちゃんの頬に涙が伝う。


「里衣ちゃん?」