俺は最後の力を振り絞って刺客に向かって発砲した。

 ―――パンパンパンッ


「ぐっ」


 見事全員命中。


「里衣ちゃんっ!」


 俺は血の流れる脇腹を押えながら里衣ちゃんを抱えた。


「は…林…くん」


「里衣ちゃん…」


 里衣ちゃんは俺の胸に収まると荒く息をしてた。


 銃は腹を貫いたみたい。


「里衣ちゃん。生きて帰ろう。俺と一緒に、生きて帰ろう」


「…くっ…あ…歩夢く…」

 
 確かに呼んだ。


 名前で呼んでくれた。


「里衣ちゃんっ!死んだらダメだよ!」