「嘘…」


「嘘じゃないです…。ずっと助けてもらって…好きになっちゃったんです」


 ずっと好きだったのに…。


 先に言われちゃった。


「俺もだよ。襟沢さん」


 そう言って答えた。


 気持ちが伝わったし。


「じゃ、今から名前で呼んでください」


「名前?!」


「うん」


 さすがにそれは難しいんだけど。


「じゃ、明日から!ちょっと恥ずかしい」


「しょうがないですね」


 と言いながら表情が曇る。