トゥルル…

1コール…


トゥルル…

2コール…


トゥルル…

3コール…



いつもならこの辺ででてくれるけれど

今日はさらにコールが続いていた。



…もしかしたら拒否されてるのかもしれない。



いつまでも彼女がこんな自分勝手な僕を
変わらず好きでいてくれるなんて

自惚れてるわけでもないんだ




わがままで、

自分勝手でゴメン…!




どんなにでも謝るから…

謝らせてくれ…


頼むから出てくれ…!





『…ッチャ、留守番電話サービスに…』






無情な留守電のアナウンスが聞こえて

僕は電話を静かに切った。







…あぁ、間違いだらけだったな。






ブブブ…





手にもった携帯が揺れた。


彼女からかと思い、

確認もせずに慌てて通話ボタンを押す。


『もしもし?』


バカ林だ…


『…あ〜、わりぃ…今…』


『や、まてまて!お前の彼女!』


…アキが…?



『…なんだよ、アキがどうした?!』



身体が凍りつく



『今日、映論のあと、飲みやったんだけど…

木村となんか仲良くしててさ…

気づいたら…』





『…それ!どこでやった?!』



場所を聞き、急いでそっち方面に向かう。



見つかるはずもないのに

じっとしていられなかった。




木村は前からアキのことが
好きだったから…





こんなに必死に走ったのは初めてだった。


周りが、なんだ?!と訝しげに
僕を見ているのがわかったけれど

そんなのもどーでもよかった…





アキ…

お願いだから無事でいてくれ。




僕は通じないアキの携帯に
かけ続けていた。