煙草を消して車に乗り込む。


…助手席になかなか乗り込まない彼女


…?


車のシートに座った彼女は

口の端をきゅっと
真一文字に結んでいた。


感情を表に出さないようにする

彼女の癖だ。



…そんな表情にさせるのは


彼だ。



コンビニから一瞬見えたのは



やっぱり、優斗君だった。




気づかない振りをして
素早く車を発車させた。





『今日は百合ちゃんとこ
泊まっていい?』




『…うん。大丈夫』



そう言って口角に少し
無理して力を入れて笑う。



そうゆう顔もそそるけど



やっぱり心から
笑って欲しいな。



百合ちゃんの迷いを全部引き受けて
俺たちは”付き合う”ことにしてた。




君が迷っていても、

迷ってる君を見て辛くなっても

最後には選んでくれる

そんな距離にいたいんだ。