『…もしもし?』


3コール目で彼女がでた。


『おまえ今どこ?』


『自分の部屋だけど?…何?』


『…そうか。
近くまで来てるから今からそっち行くから』


『…は?いきなりなによ…
…まぁいいけど。暇人ねぇ』


部屋の明かりはまだついてなかった。


『今どこにいんのよ?』


声はいたっていつもどおりで
僕は彼女の暗い部屋の窓を見つめていた。



『…おまえんちの近くのあのコンビニだよ』



部屋の電気がついた。



『じゃあ…
アイスと酒とつまみヨロシク!』


『おまえなぁ…、ったく…
割り勘だからな…!』



ケラケラ電話口で笑う彼女の声に
少し安心した。



笑えてるならいいよ。



僕はコンビニまで引き返し
彼女のリクエストを買って部屋に向かった。