「じゃぁ、ね。わたしこっちだし」



沙羅は少し冷たくそう言い放つとくるっと背を向けた。



「送ってくって」



「いい」



沙羅は立ち止まらずに進んでいく。



「意地はってんなよ。もう暗いんだし送ってくから」


沙羅は立ち止まって振り返るとさっきとは違い優しい笑顔で口を開いた。



「ほんとに大丈夫だから。ひとりで帰りたい気分なの。じゃぁね」