ドンッ―…



「痛ったぁ〜…」



「あ…。ごめ…ゆりな大丈夫か?」



俺は無意識にゆりなを突き飛ばしていた。



「何すんのよぉ〜。もぉ最悪…」



ゆりなはものすごく不機嫌な顔でスカートについた雪を払っている。



「ごめん、ゆりな。怪我しなかったか?」



「てかさぁ…。沙羅っちのことが好きならそう言えばいくない?」



ゆりなは落とした鞄をけだるそうな様子で拾った。



「…は?」



「好きなんでしょ?沙羅っちのこと。わかりやすすぎなんだって。

あ〜あ。うざいうざい。もうやってらんないわ。

別れよ。

もう明日から話しかけないでね〜」