「あのねっ」



沈黙を破ったのは沙羅だった。



「…ん?」



そう言った沙羅が鞄から取り出したものは封筒のようだった。



「なんだよ」



「これね、ゆりなちゃんから」



「は?ゆりなって…3組の?」



「うん」



沙羅はぐいっと封筒を俺につきつけた。



「渡してって頼まれたの。」



「なんで斉藤が?」



沙羅は鞄を勢いよく肩にかけた。



「こーちゃんって確か前にゆりなちゃん好きだったよね。よかったじゃん」