「ズルいよ……リキは、いつもあたしを突き放す」


「突き放してなんかないって。言っても、花梨に泣かれるってわかってたから……」


「泣かないし!」


「泣いてるし?」


リキはあたしの目尻に指をあてて、こぼれた涙を軽くぬぐう。


「……心の準備ができないよぉ。あたしもついていきたいっ」


「無理言うなよ。花梨は、まだ高校あんだろ?来るなら卒業してから来いよ」


「行ってもいいの?リキの邪魔にならない?」


「いーけど、ちゃんと目的作って来いな。留学とかさ。色々大学あるし、今から選べば間に合うだろ」


留学っ!?


リキじゃあるまいし、あたしにそんなの無理だから!


リキは高校を卒業して、海外にあるおじいさんの経営するグループ会社に入ることになったんだ。