「別に、お前が女子っぽくする必要はないんじゃね??」


え…??


「だって、もう取り返しつかないぐらい男子じゃん」

「は!?」

「っつーのは冗談。でも、女子っぽいとか、男子っぽいとか、そーゆーの関係なくねぇ??円は円だろ」


ードキンッ

心臓が大きく跳ねる。顔が火照る。


「晃汰もたまにはいい事言うじゃん♪」

「晃ちんかっこいいー!!!!惚・れ・ちゃ・うーっ!!!!」

「いい事言っただろ??でも、頼むから俊介、その喋り方やめろ…」

「えー!?何でぇー??」


“円は円だろ”

さっきの晃汰の言葉が、頭の中をぐるぐると駆け巡る。

心が、暖かくなった。


「晃汰、ありがとっ!!」

「おう」


あたしがお礼を言うと、晃汰は少し…少しだけ、頬を染めてそう言った。


「着いたー!!」

晴れの日には徒歩15分で着く、学校の近くの人工芝のグラウンドに着くと、すでに学校を出てから25分が過ぎていた。


「よし、練習開始ー!!!!」


“円は円だろ”

そうだよね。あたしは、あたし。あたしらしくプレーしなきゃ!!


「「円ちゃーん!!シュート練するよー!!!!」」

「あ、はーい!!」


…頑張ろうっと!!!!