ートクン…


駄目だ。

最近のあたしは、晃汰のちょっとした優しさに弱すぎる。


「じゃあ、行こっか」

着替え終わってトイレから出ると、3人はもう着替え終わっていて、飛鳥があたしに声をかけてくれた。

「うんっ♪」


何だか恥ずかしさでいっぱいになってしまったあたしは、晃汰の顔が見れなかった。


ーザァァァ…


隣に並ぶのは、3つのビニール傘。

「てゆーか円、めっちゃ目立ってんねー!!」

「…へ??」


…何の事??


「傘も、持ち物もっ!!何か全部女の子って感じじゃねー!?」


よく見てみると、傘はピンク、カバンはピンクのスポーツバッグ、ポニーテールに付けたシュシュもピンク…。

俊介が言う事も、正しかった。


「まあ…ほとんど友達からのプレゼントなんだけどねー」


“もうちょっと女の子っぽくしてあげる!!!!”

友達は、皆声を揃えてそう言った。


それで、いつの間にか、あたしの周りはピンクで溢れかえっていた。


理由を3人に話すと、飛鳥と俊介は爆笑。

でも、晃汰だけは全く笑わなかった。


「晃ちん、どした??晃ちんが円の事馬鹿にしないなんて、珍しいじゃん」

「俊介??その台詞は失礼じゃなくて??」

「すいませーん☆」


あたしと俊介がふざけてると、晃汰が静かに話しだした。