「1人で立てないような根性もねぇ奴は、ピッチにいらねぇよ」

…こんな奴、大っ嫌い。


ーグッ

「っ……!!!!!!」


痛い。…足が、心が。


「円っ…」


不安そうにあたしに駆け寄る飛鳥。


「来ないで!!」

「でも…」

「大丈夫!!1人で立てるから…!!」


ムカつく。…本当、ムカつく。


痛いよ。足も心も、悲鳴をあげそうなほどに、痛い…。


「早く…プレー再開しようよ」

何とか立ち上がったあたしは、痛みを堪えてそう言った。


「円ちゃん、ちょっとおいで!!」

大輔先輩が、テーピングで応急処置をしてくれる。

「円ちゃん、この足…」

「あたし、出ますから。誰が何と言おうと、出ますから」


本当は、今すぐにでもやめたい。

だけど、負けたくない。


痛みに、隣高に、晃汰に…そして、自分自身に。


ーピーッ


こんな痛みに、負けてられない!!


晃汰は遠慮なく強いパスを出してくる。

「っ…!!」

パスを受ける度、あたしの足は痛みを増した。