しまった!! とでも言うかのように、相手DFは晃汰のマークに専念しようと、晃汰のほうへ。


そこに、タイミングのいいワン・ツーで、ボールはあたしの元へと戻って来る。

よーし、もう1点!!!!


しかし、隣高に“2度目”は通用しなかった。


ードンッ


相手DFとの、接触。


身体の小さいあたしは、いとも簡単に、そのDFに吹っ飛ばされてしまった。

プレーが止まり、審判が駆け寄ってくる。


「怪我は??」

「大丈夫です。続けられます」


正直、こんな所で女の子扱いなんかされたくない。


「円!!大丈夫か!?!?」

一番に飛んで来てくれたのは、飛鳥。

「ん…。多分大丈夫だと思う」

「そっか!!…ほれっ!!」

飛鳥が手を差し出してくれた。


…だけど。


「早く立てよ」

顔を上げると、冷たい表情をした晃汰がいた。


ーズキンッ


「痛っ…!!!!」

足が、大きく腫れていた。

だけど…それ以上に、冷たい目をした晃汰の言葉に、あたしの心は深く傷ついた。


「お前のやる気っつーのは、そんなもんなわけ??」

…ウザい。