「2人っきりだ…」

「なんか、まーちんの言い方えっちぃ!!!!」

「「は!?!?」」


俊介の照れたコメントは置いといて…。


胡桃と2人っきりだもん。

やっと、ゆっくり話せる…!!!!


「「風呂ー!!!!」」

嬉しそうに歩いていくのは、俊介と晃汰。

俊介はいつもの事だけど、晃汰があんなノリノリなのは珍しくない!?


ーポンッ


そんなどうでもいい事に感動してたら、不意に肩を叩かれた。


「飛鳥…」

「円、頑張れ」


ートクン…


たった一言で、あたしの緊張が和らいでいく。

飛鳥は優しい笑顔を残して、晃汰と俊介の元へ混ざっていった。


残されたあたしの胸は、飛鳥の優しさへと、微かに揺らいでいた。


思い返せば、飛鳥はいつだって側にいてくれた。


入学したての、ガチガチに緊張してたあの時から、飛鳥はずっと優しかった。

初めは軽いノリで、でも根はしっかりしてて大人で。


…晃汰とは正反対な、勿体無いぐらいの“いい男”ってやつ。


だけどきっと、胡桃にそう告げてたら怒られるだろうな…。

“ファミレスで泣き出すほど好きなんじゃないの!?”

“晃への想いはそんなもんなの!?”

とか言われちゃうかもなぁ。


「ふふ」

久しぶりに今までの胡桃を思い出して、顔が緩んだ。