日向とキルリアが驚き言葉を失って見つめ合っている頃、

大きな音に気付き駆けつけたレオが生徒会室前から1メートルほど離れた廊下で人だかりができているのを視界に捉えた。


息を切らせながら、人だかりの先頭にいる先生に声を掛ける。


「ここで何をしているんですか?」


「いや、さっきから大きな音がするから何事かと思って来てみたんだが、ここから先になぜか行けないんだよ。
見えない壁があるみたいに」


「見えない壁?」


レオは不思議そうに小首を傾げている先生の横に立ち、手をかざした。


すると確かに見えない膜のようなものが張られ、先に進むことができない。


「結界だ……」


「結界?」


レオは不思議がっている先生や生徒たちを無視して、結界に手をかざし神経を集中させた。


……俺ならできるはずだ。