階段を一歩一歩上がっていく。
かーんこーんと、ヒールの音がこだまする。
あぁ・・・もう、疲れちゃったな。
「ふぅ・・・。」
部屋の前まで来て、鍵を取り出す。
「加奈子?」
「・・・?」
突然、自分の名前を呼ばれて、動揺した。
「え・・・?」
視線をドアの鍵穴からはずし、周りを見渡す。
2・3部屋先の廊下の窓ガラス近くに、人影があった。
「今日、休みじゃなかったんだね。曜日、ずらしたの?」
その人影は、笑顔のまま私に近づいてきた。
「休みだったけど、呼ばれて・・・・・。」
・・・って・・・