あたしは嬉しくて涙が止まらなかった。


 その言葉がずっと欲しかった。

 あたしだけを見て欲しかった。



 答えなんて、最初から決まってる。


 「・・・あたり、前じゃん」




 好きで好きで可能性なんて全然なくて。
 それでもあきらめきれなかった。




 「俺、唯しか見てねえよ。だからムリに理由つけて彼女にした。誰にも渡したくなかった。すんげえガキ」


 そう言って笑みをこぼし、さらに続ける。


 「キスだってキスマークだって、俺が最初にしたかった。マジ・・・我慢できねえ」




 初めて聞いた、文哉の本音。



 あたしたちはずっとすれ違ってたんだね。
 同じ想いを抱えて。