激甘なアイツとの恋

「じゃあ桜宮は田宮の隣にすわってくれ」





「はいっ」






私の隣には
朝出会った運命の人が
机にうつぶせになって寝ていた





休み時間
私が今どこにいるかって?
隣の人の席の周りに女の子がたくさんいて教室じゃ落ち着かないから屋上来たんだ






こんな時でも
空は雲ひとつなく
青あおとしていた

そんなきれいな空を見ていたら
眠くなってきた・・・












寝ちゃいそうだよ・・・・・。
寝む・・・・・・・い・・・。













気がつくと太陽がオレンジ色になっていた・・・
いつの間にか寝ちゃったんだ・・・















ってか午後の授業は?
もう終わったの?
もう最悪・・・











落ち込んでいとると・・・















「あっ
 起きたんだ」











私が不思議そうな顔をしているのを察したのか

「ごめん・・・
 俺田宮拓馬よろしくな」











「よろしく
 って何でここにいるの?」









返答は帰ってこない
って思ったら



だんだん私の方にカッコイイ顔が近づいてくる
これ以上来ないでよっ~
もう心臓が破裂しちゃうよ~
絶対今顔赤いよ
ほんと恥ずかし~よ~








動いたら唇が触れそうなくらいの距離だった
もうキュン死する~っ










「桜宮さぁ~
自覚ないと思うけど男が桜宮の事どう思ってるか知ってるの?」
















「どう思ってるって?
それより何で?ここにいるの?
話そらさないでよ」

















「お前が屋上で昼寝なんかしてたら
襲われるとおもったから」
かすかな声でそうつぶやいた・・・・













「心配してくれたんだ
ありがとねっ」
私は満面の笑みでお礼を言った。











拓馬君の顔が赤いような・・・?
きのうせいなのかなぁ?
もしかして熱があるとか?









そう思うと体が勝手に動いてしまっていた・・・
何やってるんだろ私。
今拓馬君くんのおでこに私の手がっ
自分でやっときながら恥ずかし~











「熱なんてねぇーよっ」












「じゃあ何でそんなに顔が赤いの?」



















「お前が可愛い顔してじっと見つめるから」
赤い顔を服でかくしながら恥ずかしそうにそう呟いた














今可愛いって言った?
拓馬くんに言われた事が全く分からず頭の中で拓馬くんに言われた言葉がぐるぐる回っていた・・・



しかも何か気まずいっ・・・
こういう時って何話せばいいの?


















でもね
先に沈黙を破ったのは拓馬君だった
「なんかごめんな
 変なこと言っちゃって
 とにかく起きたから良かった・・・
 家まで送るから荷物準備してきて!」





















教室では凄く無愛想→でも田宮くんのファンはクール??って言ってるけど・・・
でも凄く優しいな
拓馬君の口調から行動まで優しさが伝わってくるのがわかるよ
今私すっごくドキドキしてるもんっ
もう恋なんてしないって決めたのに・・・





「うんっ」
きっと今自分の顔すっごく真っ赤だと思う・・・
















夕日に照らされながら私は拓馬君と一緒に帰った

一緒に帰ってるけど・・・
何か気まずい・・・
こういう時って何話すのかなぁ?

















急に拓馬君の足が止まった・・・
















「なぁ
 桜宮ん家って何処にあるの?
 送るって言ったものの桜宮ん家何処か分からないし・・・・」



















「えっと・・・・A町
  拓馬君は何処に住んでるの?」























「・・・・俺ん家はD町」
えっ??
A町とD町って反対方向だよね・・・
って事は拓馬君凄く遠回りじゃん!















「拓馬君ここで大丈夫だよ★
  拓馬君帰るの遠回りになっちゃうし・・・」
そんな上目ずかいで言われると
俺の理性吹っ飛ぶ
俺我慢しろっ!

















俺はなるべく桜宮目をあわさずに
「俺は別に平気だから」
と言った・・・
ちょっと強く言いすぎたかも・・・
桜宮俯いてるし・・・

















「っでも・・・」
桜宮は悪そうな顔をしていた・・・
それが見ていられないんだよ
そう思うと体が勝手に動いて桜宮の手を握って歩いていた


















ふたつの影が夕日に照らされていた







おれはこの時コイツのちっちゃな手を放したくないって思った












笑った時の仁菜の顔
真っ赤な顔をした時の仁菜の顔
恥ずかしがってる時の仁菜の顔
怒った時の仁菜顔
泣いている時の仁菜の顔








俺はコイツの全てを愛おしいと思った
誰にも渡したくないって思った
















俺は女なんて嫌いだ
どいつもコイツも俺の顔が目当てで近寄ってくる
バッチリ化粧した顔
うるさい女の声
ぶりっこしてるヤツ
だから女なんて大嫌いだ










でも仁菜は違った・・・