「えっ、何で??」

「討伐隊への参加を申請してきたんだ」

ディーンはそのために、私たちのパーティからは一時離脱するという。

「何で討伐隊へ?」

「どうせここで足止めされるんだったら路銀も稼げるし、参加しない手はないだろ」

本当ならば私たちも参加したいところである。しかし少なくとも修行中の私やエドには、まだその力はない。

「討伐って、いつから始まるの?」

「第一陣は、明日早朝から行動を開始するそうだ。俺もいつでも出陣できるように、今からギルドへ詰めなければならない」

「そっか…」

私が不安そうな顔をしていることに気付いたのか、彼は続けて言う。

「騎士や大勢の術士たちがいるこの村は、今は比較的安全な場所だ。余程のことがない限りは、魔物がここへ攻め入ってくる心配はないと思うよ。だから君たちも通行止めが解除されるまでは、ゆっくりと英気を養っておくといい」

ディーンの話を神妙な顔付きで聞いていたアレックスだったが、ようやくここで口を開いた。

「ならば俺も参加するぞ」

「それはやめたほうがいい」

「却下」

「参加しないほうが〜いいと思います〜」

私たちは直ぐさま口を揃えて、その申し出を撥ね付けた。

「な、何故皆して俺を否定する!?」

アレックスは私たちの息の合ったコンビネーションに、動揺の色を見せているようだ。