私はその言葉の意味をしばらく考え込んでしまったが、沈黙に痺れを切らしたのか、ルティナが最初に口を開いた。

「あたしはそろそろ行くよ」

「は? 何よ突然。
それに行くって、何処へ??」

「あんたたちがしなければならないことがあるように、あたしにも成し遂げなければならないことがある」

「それって」

直ぐに思い出した。

ルティナは親の敵(かたき)である、ゼリューを追っていると言っていた。だとすれば。

「当てはあるの?」

「これからまた、一から情報を集めるつもりだ。
それに動かなければ、何も始まらないからな」

「でも今は団長が、ここで待つようにと言っているのに」

「あの説教ジジイのことなんか、知ったことか。
このあたしを一体、何時間待たせていると思ってやがるんだ」

先程懐中時計で確かめた時には、ここに集められてから約2時間は経過していた。言われてみれば、確かに遅い。

しかし……説教ジジイ??