最初から勝ち目のない戦い方をしたくはなかった。

だから私はそのような状況に陥る前に、極力逃げるようにしているのだ。

だがもし、万が一、どうしても逃げられない状況になってしまったなら――。

「絶対に諦めたりもしない。
思いつく限りのあらゆる手段を使って、最後まで藻掻いて闘ってみせる」

自分が未熟で弱いのは分かっている。

だが弱者は弱者なりに、プライドを持っているものだ。

私はそれを最後まで、捨てたくはなかった。

「ただ自分に出来ることを、目の前にある出来ることから精一杯にこなす。
ただそれだけなんだから」

今の状態がまさにそれなのだが、まだ希望は残されているはずだ。

だから後悔だけはしたくない。これは私の、精一杯の意地だ。



「途中で諦めない……あらゆる手段で最後まで闘う……か。
実に君らしい……俺は君のそんなところが好きだ」