「俺はここで種の浄化を行っている。
そしてこれの持ち主は……俺と同族の者だ」

同族! まさか。

「同族って……サラ?」

「何?」

魔物はその言葉に反応した。

「君は、サラに会ったことがあるのか?」

今までそれほど顔色を変えたことのない彼が、初めて見せる表情だった。

それに私は大事なことを思い出した。ここに来た目的だ。

「そうよ。それに私はあなたに訊きたいことがあって、ここに来たんだったわ」

「訊きたいこと?」

「ええ、これを見て」

私は左袖を捲り上げると、装備している籠手を外した。

そこには正円形のケーキに、ナイフを上から中心まで1本入れたような紋様がある。