「モンスター・ミスト自体が、種を生み出しているわけではない。
この霧は外部へ漏らさないための結界だ。
しかし種から噴出される瘴気濃度が高いために、完全な遮断は難しいがな」

するとこの霧が、内部の瘴気を封じているということなのか?

だがにわかには信じられない。

「にわかには信じられないといった顔付きだな」

「!?」

何故私の考えていることが分かったのだろうか。

というかさっきから何だか、私の思考を全て見透かされているような気がする。

まさか先程かけた術のついでに、心の中が読めるようになる術でもかけたのだろうか。

「そ、そそれなら一体、ソレは何だというの?
何でそんなものが存在するの?
それにあなたはここで一体、何をしているわけ?」

何となく意地の悪そうな笑みを浮かべている魔物に対して、つい勢い込んで質問をぶつけてしまった。