しばらく話し合った結果、おかしいのは私のほうらしい。


どうやら、ここは違う世界みたいだ。


死んで地獄に行くつもり満々だったから、たいして驚きはしない。


地獄だろうと天国だろうと、異世界だろうと。


もうあの場所に居なくていいなら、どこだっていいから。


「助けてくれて、ありがとうございました」


お礼を言うと、なんだか複雑そうな顔をされた。


なぜ。


「いや、気にするな」


「そうですよ。まだゆっくりしてて下さい」


「寝る子は育つからな!」


変。絶対変だ。


じっと見つめていれば、まだ手を握っている藍色の人が話をそらした。


「まだ名前を聞いてなかった。俺はイーガルだ」


金色の人が言った。


「僕はロゼアと言います。治癒術師です」


赤い人がイーガルを小突きながら言った。


「ファズだ。これでもこいつの第一騎士だ」


「・・・・・ちせ、です」


「ティセ?」


「それでも、いいです」


ちせ、は発音しづらいらしい。


それから三人がティセティセと騒いでいた。


うるさいとは、思わなかった。