全身を襲う激痛に、私は目を覚ました。


「っ・・・・! ぅうっ・・・・」


全身が千切れてしまいそうな痛み。


痛みに集中して、周りが見えていなかった。


そこに人がいるなんて、思ってもいなかった。


なぜなら、自分は死んだと思っていたから。


「おい、大丈夫か、痛むのか」

「ロゼを呼んで来ます」


人の声がした。


だから、ここは地獄なのだと思った。


誰の役にも立てなかった私が、天国に行けるはずがない。


だから、地獄。


だから、こんなにも痛いんだ。


「ぅぁああぁっ・・・・」

「ロゼほど効くか分からんが・・・」


声が何かを呟いた。


それは全く聞き覚えのない言語で、意味も理解できなかった。


しかし、その呟きが終わった瞬間、体中の痛みが嘘のようになくなってしまった。



そして、初めてそこに人がいる、ということに気が付いた。


「今俺よりも治癒術の上手い奴が来るから、それまで頑張れ。な」


手を、握っている。


信じられなかった。