緊張からか額には汗が浮かび、ゴクリと生唾を飲み込む…

柄を握る掌にもうっすらと汗が滲み、剣を落とすまいと強く握り締めた、その時だった…







 「…っ………」


背に感じた、何かが突き刺さるような鋭い痛み…


その痛みは肉を裂き、身体全体を突き進む…





 「……う゛っ………」


激痛に顔を歪めると、その鋭い痛みは、最後に彼の心臓を貫いた…







血を吐きながら自分の心臓へと目を落とすと、そこには鋭く尖った茶色い物体が姿を現していた…





そこにあるはずのない物体に大きく目を見開きながら、辛そうに身体全体を使って息をする…






胸から突き出た鋭い先からは、耐えかねた真っ赤な液体が零れ落ち、この地に模様を描き出す…






握っていた漆黒の剣は掌から滑り落ち、剣が地にぶつかる音が嫌に頭に響く…







瞳に映し出された景色がグルグルと回り出した頃、背後から伸びていた鋭い枝がシュウの身体から引き抜かれた…







更に大量に血を吐くと、フラフラと数歩後退り、力無く地に膝を付く…







上体が後ろへ倒れ行く中、歪んだ視界に最後に映ったのは…










木に腰を掛け不気味に笑う、マーガレッドの姿だった…