その途端に魔法使いは姿を消してしまい、ケンタは床の上に落ちてしまいました。

ドタン。その音でお母さんがやってきました。

「ケンタ、どうしたの。まぁ、ベッドから落ちたのね。」

「お母さん、助けて。ミカがネズミにされたんだ。
魔法使いのおばあさんがきて、ペケペケとボヨヨンが・・・。」

「あらあら、ケンタは悪い夢を見たのね。ミカちゃんはぐっすり寝てますよ。さぁ、ケンタもベッドに戻って、寝なさいね。おやすみなさい。」

「ちょっと待って、お母さん。」

 ケンタはミカのベッドに行きました。ミカはスヤスヤと寝ていました。

「あれ、おかしいな。夢だったのかな。」

 ケンタは、お母さんにおやすみを言うと、ベッドに戻りました。

ケンタがウトウトしはじめたとき、誰かが窓をコンコンと叩いています。

そしてベッドの下からペケペケペケと音が聞こえてきました。

やっぱり夢じゃなかったんだと、ケンタは思いました。

けれど、眠さには勝てずに寝てしまいました。

でもケンタの不思議なお友だちは、またきっと遊びにきてくれるでしょう。

おやすみなさい。ケンタ。

 ありがとう。ペケペケ。ボヨヨン。