エロはまあ、昼ドラとかあるから(色んな意味で)重厚路線に持っていけるかも知れないが、笑いでそっちの路線に持って行くのは無理だと思う。


多分俺の表情が曇っていたのだろう。ゴウさんは先ほどの言葉に補足を付け加える。


「人間、エロと笑いがあらへんと生きていけんと思うんや。性欲がな子孫を繁栄させることがでけへんし、笑いがな生きる気力が生み出されへん。そう思うやろ?」


「まあ、言っていることは大体理解できますけど……」


「せやろ? だから笑えて且つエロい作品を作ろうって思っとるんや。例えばやなあ、障子にいきり勃ったチンふごぅっ!?」


バシンッ! と威勢のいい音が鼓膜を振動させる。


背後から頭をド突かれたゴウさんは、後頭部を押さえながら机に突っ伏して痛みを堪えている。


見事な正拳突きをお見舞いしたマミさんは、腕を組みながら悶え苦しむゴウさんを冷めた瞳で見降ろしていた。


「あんたはタダでさえ目ぇ付けられてんだから、都知事に喧嘩売るような真似は控えなさい」


「なにすんねん! てか、どこから湧きおってきやがった! テレポートか? 空間移動か!」