なぜ駄目なんだと問いただしたら「都会の男は悪い奴ばかりだ! 千秋みたいな純粋な田舎娘はすぐ騙される!」という都会への偏見丸出しの田舎っぺな回答だった。


要するに、男との出逢いがありそうな活動は慎めというわけだ。


とはいえサークルもしくはバイトをやらなきゃ就職氷河期のこの時代、自己PRが書けやしない。


よってサークルは秘密裏に活動中。


ただ、バイトだけはどうしようもなかった。


その原因がこれ。


第三条、毎日最低一回は電話をかける。


この場合、電話をかけるのは両親からだ。


いつどんな時に電話がかかってくるかはわからない。もし電話に出なければ、容赦なく電話とメールの嵐がくる。


一度だけケータイの充電が切れているのを忘れて一日過ごしていたら、事件に巻き込まれたと心配した父が、わりと近くに住む(とはいえ片道一時間はかかるが)二男を俺の家まで寄こしたほどだ。


バイトをしていたら突然鳴り響くケータイに対処することができない。