「えーと、なんかゴメン。がっついて千秋のこと無視しちゃって……」


「なに変なこと気にしてんだよ。それだけ俺の料理が美味かったってことだろ? お世辞を言われるより全然嬉しい」


食べ終わった食器を片づけながら、千秋の顔は自然と綻んでいく。


千秋さん、その顔は反則だって。可愛過ぎですって。


やばいなほんと。ゾッコンでレベルじゃねえぞこりゃ。


こんな状態でちょっぴりエッチな悪戯なんぞ仕掛けたら、ミイラ取りがミイラになりかねない。


やめだやめだ。やっぱ中止。


そもそも超絶男前なイケメン千秋を陥れるなど、ヘタレの俺が出来るわけがない。


千秋の手料理も堪能出来たことだし、今日の所は満足としておこう。


カチャカチャと聞こえる食器と水の音。


やっぱり狭くなるから手伝わなくていいと言われ、大人しくテレビを観る俺。


新婚夫婦ってこんなんなのかなぁっと耽っていると、突然台所の音が止んだ。