グッと親指を突き立てるマミさんに、わざわざハンカチを取り出して涙を拭くパフォーマンスをするゴウさん。


こいつら、からかうにも限度ってもんがあるだろうが。


もう無視だ。無視して接客業に勤しもう。


だけど残念。現在店にいるのはゴウさん一人。


というか、ゴウさんしかいないからマミさんの下ネタが絶好調なわけで、他のお客さんがいたらマミさんは猫を被る人なのだ。


店長は相変わらず何か磨きながら意図的に蚊帳の外にいるし、助けを求めた所で華麗にかわされてしまう。


こうなったらスピカの散歩だ。犬嫌いだけど大人しいスピカなら……。


「あ、そうだ。プレゼントがあったんだ」


「プレゼント?」


足が止まる。


プレゼントと言われちゃ聞き捨てならない。