「俺さ、高校卒業したら、店経営できるようになりたいんだ。」


そう、電話口で貴方は言った。





高校1年生の宿泊研修。



あの時に。


貴方と私、出会ったね。
体育館に並び

グループ決めの時

「なー、ティッシュくれないか?」

って声、掛けられた。


くるくる天然パーマの貴方は

私が差し出したポケットティッシュを


「ありがとう」って受け取ってくれた。
その日から貴方と私、仲良くなった。

どちらかと言うと、

貴方にからかわれていた…が正解かな?


「おい、お前のスカートの下になんか付いてるぞ」


「え?!何!!」


「足!!!!」


なんて、こんな風に。

高校1年生の秋頃。


私の友達と携帯番号を交換していた貴方は

「ほら、お前も」

と、そんな風に言って

強引に、私の携帯電話に番号を登録して

「俺、部活あるから!!」




パーッとグラウンドへ走って行った。


私、マネージャーだから後で会うのに…。


なんて、貴方の後ろ姿を見ながらそう思ったっけ。


その夜


ドキドキしながら


『ゆきこです。これ、私の番号だから』


と送ったショートメールに


『ゆきぶーこだ』

と返信をくれてから


あなたと私はずっと、電話やメールをするようになった。


たわいのない話で盛り上がって、3時間も長電話。


その後の電話料金に


「怒られちゃった、あんたのせいだ」

「俺だって怒られた」


なんて、言い合いっこしたね。
「付き合って下さい」

「いいよ。」


そんなメールのやり取りから、


貴方と私は付き合うようになった。


夜の公園に二人で行って、長い間話をしたり

キスもした。