「ど、どうしたんだ、お前…」

バクバクと心臓が高鳴る。

フラれてしまった事も忘れて、タケルはそう、あかりに聞く。


「タケル…ホントに昨日はごめん」

その言葉に

(俺の傷をえぐらないでくれっ!!)

と傷つく事を恐れ、


「い、いや、気にしないでくれ…
そ、それよりこの体制は俺、期待しちゃうぞ?」

辞めろよ…と、背後にいるあかりを手で優しく引き離そうとした。


しかし、ギュッとあかりは離さない。


「…期待して、良いんだよ…?」

「え?」


(えぇぇぇぇ〜?!)

と、タケルは思う。


そして、バッと強引にあかりを引き離し

「い、いや、お前優しいからってそんな嘘つくなよ。
お前の幸せ、祈ってるからさ。
あかりとは幼なじみのままでいたいからさ」

と言う。

その言葉にあかりはパッと顔を上げ
タケルの腕を掴み

「ほ、ホントよ!

わ、私、タケルの傍にずっといたい!!

…いつの間にか、タケルの存在、大きくなってたの…。

わた、私、タケルがいなかったら、今どうなってたかわかんない!!」


「…………」

少しの沈黙が走り

タケルは

「う、うっそだぁ〜!

また、ひとみ達が影に潜んでんだろ!!

俺のハートはガラスのハートなんだぞっ!!」


どこだどこだと探すタケルに


あかりは

「いないから、会ってないし、騙すつもりもないから」


とピシッとタケルの肩を叩く。


「…ホ、ホント……?」


「私、こんな事で人騙すなんてしたことない
あ、騙されてたけどね」


とクスクス笑う。