「あんたらホント、良い反応するねぇ。
似た者同士だ。」


あかりを見てクスクス笑う祖母。


「タケルちゃんはホント分かりやすい子だねぇ」


突然言った祖母の言葉に驚き、

あかりは

「え、そうなの?」と聞く。


「ああ、そうさ。

あんだけベラベラ元気に喋りながら、夕飯食う子が、あんた来てからは、ずーっと、あんたの方をじーっと見てね。

あんたの事気になってるのがすぐに分かったわ。」


あかりはその言葉に


「全然、知らなかった…」

と言う。


「知らなくて当たり前さ。
だって、5年も離れてたし、夏休みと冬休みしか来てないしな。

人の気持ちとか行動なんて見えにくい。」

「そうなのかな?」


「…タケルちゃんと、小さい頃どんな話をしてたとか覚えてるか?」


「…覚えてない」


少し、覚えてるけど…とポソっと言う。


「タケルちゃんは昔っからあのまんま。

一番最初に村、あんたが村来た時は、毎日あんたんトコ来て、一緒にどっか行っちまうし。


帰るってなったら、どっか連れ出すし。」


クスクスと笑う祖母。


「それ、覚えてる。
秘密基地行ったんだよね」


「へぇ、あんた覚えてたかい。」


細い目を大きく開けて言う祖母に


「覚えてる、覚えてる。

あんな強烈なの忘れるワケない。」


二人でクスクスと笑った。



祖母は真っ正面にいるあかりの両肩に触れ、

「あんたは幸せになりなさい。
あ、ばあちゃん、幸せだけどな?」


と、あかりに向け、にっこりと笑う。

「…ばあちゃん…」

少し困惑気味に言うあかりに、


「言ったろ?

人間、道外れても同じ道に戻ってくる。

そうじゃなかったら、ばあちゃん、こんな所にいるもんか。」

祖母はそう言った。


あかりは祖母の言葉にスッと俯く。