<タケル視点>

あかりの祖父宅のトラクタが入ってる大きな車庫の一角で

ゴォォォー。と

あかりの祖父は、ガスバーナーで炭に火を起こす。


「いやぁぁ久しぶりだわっ!!ここでバーベキューやるなんて!!」


ひとみは嬉しそうに言う。


「わーい」

そう言い、自分をオレンジ色に燈すガスバーナーが珍しいのか

ユウキはガスバーナーに近づこうとする。

「こら、辞めなさい」

そうユウキに言うひとみに

タケルは

(あ、やっぱこう言う時はちゃんと母親やってんだなぁ)

と感心する。

正月とお盆も、今日と同じ様にハイテンションで

2歳上の夫であるおさむは、ハイテンションのひとみをニコニコ見守り、度を超すと

「落ち着きなさい…?」と、ひとみを抑えられてたっけ。

タケルはフッと思い出し笑いをする。

ユウキを叱るのもおさむだったけど。

たぶん家ではちゃんと母親やってんだな…と感心する。


(きっと、二世帯住宅で、姑舅と一緒に暮らしてるから、おさむさん、実家に帰った時位は…とか思ってんだろなぁ…)


タケルと同じ事を思ってか、シンが


「そういえば、おさむさんは?」

と聞いた。


「おさむだぁぁぁ〜??」


ヒサシが唸り声をあげる。

「おさむさんは?」と聞いたシンは、ビクッとする。


ここにも確執があるのだが、

(そ、それは黙っておこう)

と苦笑いした。


「あ、おさむちゃん?おさむちゃんならもう少しで来るわよ〜」


「パパ来るの?」


ユウキは嬉しそう。


「おさむが着たら、俺退散するわ」
と、ヒサシはタケシの耳元でポソッと言う。


苦笑いしながら
(もう許してやりゃいいのに…)

と思った。