夕方15時半。

搾乳をする時間の30分前に、ようやく牛達を牛舎に落ち着かせたあかり達。

あかりは

「お…お疲れ様…」

と、疲れ果て、げんなりしているタケル以外四名に声を掛けた。

あかりの隣で、ひとみも「みんなお疲れ様〜ホントごめんね?!」と言う。
それを聞き、タケルの父が

「ヒサシ、お前、何牛ビビらせたんだよ〜!!」
と言う。


「ご、ごめ、タモツさん、こ、これには深い訳が……」

「何よ!私が悪いっての?!」

「ひぃぃぃ〜そんな事言ってねーじゃねーかっ!!」

と、またもや始まるタモツの父、ヒサシ、ひとみの会話にあかりは「タハハ……」と苦笑した。


あかりはげんなりしているタケルに近寄り

「お、お疲れ様…」

と声を掛けた。

「あ…お疲れ…っ。わりかったなぁ〜、こんな大変な時に声掛けて。」

「いや、だって、大変だったんでしょ?私こそごめんね」

と話をしていた。


そんな時である。

「お二人さん、イチャイチャすんのは良いが、牛の飯の時間だぜ?」

と声を掛けたのはシンだ。


「シ…シンくん…イチャイチャなんて…!!」

「そ、そうだよ!!」

と真っ赤になったタケルとあかりはシンに抗議しようとする。


「まーまーいーから、早くサイレージとか牧草の用意してやれって。

牛達がご立腹だぞ?」


と、親指を後ろに向けた。


「「……あ゙……………」」


背後にはンモォッと鳴きながら、細い尾をパタンパタンとやってる牛達。


あかりとタケル、シンは牛達に餌をやろうと動き出した。