いつの間にか居眠りしてしまって気づいた時にはもう別荘の近くだった。

「あれ?私寝ちゃってた?」

「おはよう、聖歌。
もう少しで着くからな。」

「姉ちゃん早起きなんて久々だもんな。
いつも時間と関係ない生活してるから。」

「おはよう聖歌。
寝顔も可愛いかったよ。」

「こら、うさぎ!
姉ちゃんを弟である俺の目の前で口説くな。」

「別に良いじゃん。
琥珀だって俺の気持ち知ってるんだから気にする事無くない?」

「それでも兄弟のそうゆう場面見たくないんだよ。」

「…シスコン~。」

「何だとこの野郎。」

いつの間にか琥珀は敬語を止め、お互い打ち解けあっている。

「この短時間で凄い仲良しになったね。」

「そいつら性格の根本的なところが似ているのか意気投合したみたいだよ?」

「友達増えてよかったね、琥珀!」


「口説きに関しては本当にスルーなんだな、姉ちゃん。」

「そうなんだ。
どうすれば聞いてくれるかな?琥珀。」

「いや、俺に聞くなよ。
まあ、精々頑張れや…。」

「酷い!友達だろ?」

「うさぎの友達である前に俺は姉ちゃんの弟なので、本人の意思を尊重させていただきます。
(姉ちゃん>うさぎ)」

「このシスコン野郎が~!!」

「お前いつもそんなノリだから相手にされないんじゃない?」

なにか後ろで喚いているうさぎを無視して景色を楽しむ。

「わぁー、久しぶりに海見た!」

「俺も久々だな。
後で行こうな。」

「うん!」


「ほら、うさぎが喚いてるうちに雪夜兄さんに先越されてるし。」

「~~~!」

「いっそ諦めて友達したら?」

「誰が諦めるか!
まだチャンスはある!」

「その諦めの悪さは尊敬に価するね。」

「尊敬しなくていい!!」