現在午前6時50分。
寝起きのため頭はボサボサ・服はパジャマ・目は覚めきってないしふらふらする。

そして琥珀から聞いていた集合時間は7時だ。


「…え?
嘘だ~。目覚ましかけたもん。」

しっかり止められている。

ここまできてやっと目が覚め、一気に青ざめる。

「どうしよう、間に合わない。」

あたふたしながらも顔を洗って歯を磨き髪の毛をとかしていると鏡に琥珀が写った。

「おはよう、姉ちゃん。
もう準備出来て…ないね。」

「琥珀~。(泣)」

「ほら、泣いてない!
まだ間に合うから早く準備しな。」

「え?だって…。」

今、時計の針がちょうど7時をさした。

「本当は7時30分。
姉ちゃん時間かかるから少し早めの時間伝えておいたの。
ほらさっさと着替えてきな。
頭は俺がなんとかするから、姉ちゃんは化粧するならしたら?」

「本当、何から何まですみません。」

「謝るより支度!」

「はい!」

出来の良すぎる弟をもってお姉ちゃんは少し肩身が狭いです。

琥珀の計算だと全力で走ればぎりぎり間に合うとのこと。
結局、集合時間には間に合った。
しかも5分前に。

「ねえ、5分前に着いたのも計算の内?」

「いや、もっとぎりぎりだと思ってた。姉ちゃん意外と走るの速いな。」

「執拗に迫られると速くなるみたい。」

「ああ、逃げ足とか?」

「そう。」

息を整えながら二人を待っていると先にうさぎが来た。
通り過ぎてしばらくしてから戻ってきた。

「えっ、聖歌!?
嘘、ごめん!別人かと思った…。
凄い綺麗。やっぱり明るいところで見ると違うね。」

「ありがとう。」

「そっくりな君が琥珀君?」

「はい。貴方がうさぎさんですよね?」

「あの~、聖歌さん?
なんでうさぎで名前が通ってるんだ?
俺には椋兎って名前があるんだけど…。
まさか忘れてた!?」

「忘れてないよ!?
ただ口を滑らせてからその名前で定着しちゃって~。」

「頼むから、うさぎをそれ以上浸透させないで…。」

「覚え易くて良いと思いますよ?
うさぎさん。」

「もう良いよ…、うさぎさんで。」