私は人の多さにびくびくしながら琥珀の後ろに隠れて歩き、琥珀は友達の存在にびくびくしながら時々私の後ろに隠れ(隠れきれていない。)歩きながら無事水着も買えて何事も無く帰宅する事ができた。

「「つ、疲れた…。」」

「外出ってこんなに疲れるものだったんだね~。
いつもコンビニまでの道しか歩いてなかったから。」

「普通こんなに疲れないよ。
人目に気を使いすぎて体力がりがり削られた。」

「人目って怖いでしょ?」

「俺と姉ちゃんでは怖がっている理由がだいぶ違うけど、確かに怖かった。
視線を感じるたびにばれた!?とか知り合い!?とか…。」

「あははっ!」

「いや、笑い事じゃないんだよ。
寿命が縮む。」

「ごめんごめん、でも楽しかった。」

「だな。女装無しならまた付き合っても良いよ。」

「本当!?やった!」

「ああ。
それと、そろそろ明日の荷物まとめた方が良いかな。
疲れたけどもう一頑張りだ。
で、早く寝ないと明日朝起きられないぞ?」

「そうだね。」

それぞれ這いずるように自分の部屋に入って準備を始める。

新しく買った水着やアクセサリー、浴衣もバックに詰め込んでチャックを閉めて玄関に持って行った。

「荷物多くない?」

「女の子はいろいろと必要なの!」

「…まあ良いけど。
別荘には雪夜兄さんの車で行く予定だから。」

「電車じゃないの?」

「雪夜兄さんがあっちで行動するのに車があった方が良いだろうって。」

「さすが雪お兄ちゃん!やっぱり年上の人って格好良いな~。」

「(あ、さりげなく株アップ。
確かにさすが雪夜兄さん、ちょっとせこい。
うさぎが出来ない事で差をつけようとしている。)
明日コンビニ前で待ち合わせになってるから寝坊しないように。」

「コンビニ?」

「うさぎさんもいるからだって。
姉ちゃんまだ家うさぎさんに言ってないだろ?」

「あ、そっか。」

「なんで教えないの?」

「雪お兄ちゃんが言わない方が良いって。」

「ああ。
(なるほど。そらそう言うよな。)」

「それじゃあもう寝るね!お休み、琥珀。」

「お休み~。」