私は放課後、奈々の家に
行って一部始終を説明した。
｢ね！それ、下川の番号か海風の教師のなんじゃない！？｣
｢えっ？えっ？どっちも
ヤバくない？｣
奈々はニヤニヤしながら
｢電話、しちゃいなよ！｣
と言う。
｢え、でも……。｣
｢いいじゃん！｣
奈々は学生証を取って私の
携帯で番号を打っていく。
｢誰が出るかな？｣
奈々が電話するならいーや。
プルルルル………プルルルル……
私にも聞こえるコール。
するといきなり、奈々が私に
携帯を渡す。
｢え！？｣
｢出たよ！｣
奈々は小さな声で言った。
結局私？
私は耳に携帯を近付けた。
｢もしもし？……もしもし？｣
下川？海風の教師？
｢もしもし。あの……白石
なんですけど……。｣
｢……あぁ！思ったより早く
電話くれたんだ。海風の
西野祐介です。｣
｢あの時の先生ですか？｣
｢あ、そうそう。｣
｢あの……一体……｣
｢うん、大貴明日誕生日なんだ。｣
大貴？……あぁ、下川。
