「でも……血が結構……」

ひどい。絆創膏真っ赤だし。

「お願いします……。」


私は彼の後を黙って
着いて行った。

気付けばなぜか海風高校。

海風高校は私達の学校の
何倍も優秀で県内でも
有名な高校。


生徒達には予想以上に
白い目でみられている。

すると後ろから人がやってきた。

「先生ー、おはよう!
って……え……誰?
転校生?」


えっ!先生!?


白い目で私を上から下まで
舐めるように見る。

「あ、いろいろとあって
ケガしてたから手当て
だけでもさせてあげようかとね。」


「ふーん。あそこの学校だよね?
えーっと………。」

彼は私に言わそうと
しているようだった。

「桜高校です…。」

「あ、そうそう!ばかで有名なね!」

「おい。やめなさい。」

彼は私をかばってくれた。

私はそれが惨めで、悔しかった。


「すみません、やっぱり
帰りますね。」

「え、ちょっ……。」


私は足が痛いのに走って、
タクシーに乗り込み学校に
行った。