「うん。数学の教師だよ。」
彼は車を運転し始めた。

「見えないですね。」

「よく言われるー。
由衣ちゃんも高3には
見えないよね。大学生くらい?」


むかつく。


「明日下川につれ回されたって
告げ口しときますね。」


「いいよー。俺は由衣ちゃんが
大貴のこと好きだって
告げ口しとくから。」


………。


「えっ!?えっ!?
なんで知ってるんですか!?」


「可愛いねー。君の手帳も
実はあるんだよ。」


彼は私の手帳を取り出した。


そうだ。そういえば手帳は
無くしたんだ。それには
気付いてたけど……
学生証と一緒に?


あ……手帳の中に学生証
入れてたんだ!


「ちょっと!返して下さい!」

私は手帳を取った。