ラキの体をそっと抱きしめ、震えている体をそっと擦った。



「私は平気よ。だから泣かないで」

「ですがッッ……」

「初めから報われない恋なのは分かってた。その時がきただけよ」

「シエル様も瑠花様もこんなに愛し合ってらっしゃるのに……ッッ」



シエルとはずっと一緒にいたい。


恋人として……。


だけど、私がシエルの傍にいるせいでこの国を滅びの道に進ませるわけにはいかない。



「国王様もとても辛そうだった。だけど私一人の幸せと国民の幸せだったら、国民の幸せを選ぶのは王として当たり前でしょう?」