遠慮がちにドアがノックされた。



「ラキですが、失礼しても宜しいでしょうか」

「どうぞ」



ドアを開け控えめに入ってきたラキは、まだ何も話していないのに辛そうな顔をしていた。


私が何を言われたのか何となく分かっているんだろう。



「そんな顔をしないで。国王様はとても優しくて慈愛に満ちた方だった」

「はい、国王様は身分など関係なく愛を持って分け隔てなく接して下さるお方です」

「うん。少しお話ししただけだけど、みんながこの国を愛している意味が分かったよ」



私が微笑みかけるとラキはとうとう泣き出してしまった。