「いや、さすがにあれ自体を持って来るのは…だから書き写してきた」                

テーブル上の物を端に片付けて中央付近にB4大の用紙を2枚広げる。                

「これが俺の家系図で、こっちが香澄の家のやつ……どう、合ってる?」                           

「昔の人の事は分からないけど、お祖父ちゃん達までは合ってる」

「この紙、上げるから調べてくれない?」                   
「良いわよ…それであの『巻き物』はどうしたのよ?」

「今から話す…」                            
葵は『長谷部徳蔵』に出会い、彼の死後、その息子から巻き物を譲り受けた事を話す。                 

「そんな事だったんだ。『長谷部徳蔵』ってこの人よね!?」

「ああ…」                   
「『長谷部一徳』という人が始まりか?うちは…『土門重吉郎』で、葵のところは…『紫馬葵!!』…何、これ?どうなっているの?…葵、写し間違えたんじゃないの!?」             
「そんな事はない!…だったらここ!」                  
「…同じ『雪之』になってる…どういう事?…初代の『葵』のお嫁さんと『山中光太郎』の妹の『雪之』は同一人物!?それなら紫馬家と山中家は遠い親戚なの!?」

「今じゃ親戚とは呼べないだろう!?」                  
「それもそうか!?」              
「問題はこの5つの家の関係だよ。この間に何があったのか?」

「何か分かった?」              
「全然!見当すらつかない」

「もしかして…」                
「何だよ?」                  
「『呪い』とか!?」