〔2〕         

校門の所で赤沢と別れて現在自分の身の上に起きている事を考えながらゆっくり歩く。                     
(物事を整理してみるか!?まずは日本刀。これが全ての発端だからな。誰の持ち物かは調べようがないか!?『竹光』だし…でも、何故懐かしさを感じたんだろう!?

次は『巻き物』。日本刀に漏れなく付いて来た感じ。長谷部さんは何故あの巻き物を持っていたのか?どう考えても長谷部さんに名前を言った記憶がない。

そして、長谷部さんで系図が切れている謎!考えられる事は俺に巻き物を渡すことでその役目を終えた!?だから、死んだ!?

最後は、5つの家の関係。『系図』の意味は?過去から現在までその血が繋がっている証し。縦の糸はそうだとしても、横の糸は?……

そうか!利害関係か!無関係な家同士があげられているわけはない。絶対そうだ、何かの利益が絡んでいる。その糸の謎を解明するには…)                      
「葵!どこ行くのよ!?」            
危うく家の前を通過しそうになっていた。                 
「ちょっと考え事をして…」

「また変な事考えていたんでしょう!?」                       
「大当たり!!って自分の息子を少しは信用しろよ!…母さんこそ門の所で何してるんだよ!?」

「買い物の帰りよ…」

「ふ〜ん。今日の晩飯は何?」

「あんたの大嫌いな『ハンバーグ』…」                  
「マジ!?じゃあ、頑張って勉強しようかな…」              
「食物で釣られるなんて血は争えないわね」                
「えっ!?」                  
「お父さんと一緒だから…」

『ニヤッ』と笑って家の中に入って行った。