「で?耐えられそ?」


「ビミョー」


「だよなー。好きな女と同じ部屋で寝起きするなんて、オレだったら無理だな」


「はぁ…」


「いっその事、押し倒しちゃえば?」


「はっ!?」


「拒否られて玉砕すれば、諦めもつくかもよ?」


「てか、諦めたくねーからもがいてんだよ」


「うーん…。姉弟って難しいな」


姉弟なら。


ラインを引ける。


だけど。


そのラインがもうないんだ。


ないんだよ。


「コラッ、2人ともっ」


「あ、柏木さん」


「アオイと男の子が2人きりになっちゃマズイわよ」


「あー…。そうですね」


「ホラ、部屋に戻って」


「ハイ、ハイ」


追い立てられ晴れない気持ちを抱え、果夜の待つ部屋に戻った。