「あ…」


「何?」


「口紅ズレた」


「マジ?」


「もうっ!蒼斗がイジワル言うからだよっ」


メイクを整え直して2人で部屋を出た。


フロントにはもうスタッフが全員揃っていて、


「ちょっとのつもりが爆睡しちゃって。スイマセーン!」


と、アオイ口調で謝ると、ホテル内のレストランで食事。


恭平と並んでテーブルについた。


ビュッフェ形式で好きな物を食うが、どれも日本人のオレにはなじまない味で、どうも食欲がわかない。


反して恭平は何でもかんでも取ってきては、


「ウマイな~☆」


なんて調子だ。


どこでも寝れて何でも食える、雑食系なヤツ。


果夜への行き場のない気持ちを抑えたオレには、コイツが唯一の救いなのかもしれないが。