臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前

着物姿の少女が真夜中につぶやく

「清明様、結界を結びましたので調伏に支障ありません」

少女に話すのは、黒袴姿の青年

「憎い、悔しい、食いたい」

姿は見えないが声は聞こえる

「悪鬼封印、急々如律令」
少女が叫び、姿無い声はなくなり代わりに金の粉が辺りに降る

「お疲れ様でございます清明様、屋敷に帰りましょう」

黒い袴姿の男が少女に話かける

「玄武、眠いから屋敷まで朧車で帰るから」

「御心のままに、」

玄武と呼ばれた青年は、清明と呼ぶ少女を横抱きにし
…闇に溶けていった